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  • 執筆者の写真Kobayashi Family

Liner Notes: 04 ファン・ゴッホ

1st. EP『Kobayashi FAMILY』のライナーノーツ最後です。Ba.の渡邉です。


ファン・ゴッホという曲です。

この曲は語れるぜ〜。



曲のテーマは、

『テンポが早いのをどれだけ遅く感じさせるか』でした。

自分は中高生の時にBUMP OF CHICKENやRADWIMPSの聴きまくった影響で、

彼らの多用しているルートだけ動いていく分数コード進行がすごく好みです。

ですので、Aメロとサビのコード進行はずっと昔からありました。

が、どうしてもBメロとサビへの繋ぎが書けず、没バージョンをメンバーに聞かせたこともありました。下手すればそっちを録音していたかも。

確かBメロは無しで、サビ前にキーボソロを入れた感じでした。

ミスチルの『エソラ』とかの構成に似ています。でも諦めました。

今年の3月くらいでした。


ずっと作るのを放置していたのですが、8月末の大学院入試を終えたある日、Bメロの『茜色のちへいせ〜ん』が出来ました。イメージはフジファブリックなのですが、特に『茜色の夕日』に限ったものではありません。そういうのありますよね。


同時にCメロも出来ました。

今までメロディ優先でコードを作ることが多かったのですが、

今回はコードからメロディを探っていきました。


そこからは、高速でアレンジも出来て行きました。

イントロのブライアン・メイによろしくなリフ、

ラスサビ前のBメロは、BUMPの『リボン』の4つ打ちにアコギがザクザクいく感じをイメージしました。


作っていく中で『簡単なものを重ねていく』という裏テーマも出来ました。

楽器数も多く複雑そうですが、よく聞くと全部シンプル・・・?

美術館で絵を見たときに、近づいてよく見ると筆数少ないし荒いタッチ多いね!って感覚に似ている気がします。気がするだけです。

縁の下になるフレーズもこだわりましたが、結構簡単なものです。

フィンセント・ファン・ゴッホは黄色の発色をよくするために下地に紫を敷いていたらしいです。



そんなこんなで曲が出来て、歌詞もサッと書けました。ファン・ゴッホの場合はひまわりでしたが、この曲の主人公の場合は朝顔です。

自分らしさを得るため、しばしば狂気に似た心情を持つこともあります。それほど人は繊細だし、自分に何もないという状態を怖れます。

おそらく彼も悩み続け、自分なりのタッチや色彩を得たのだと僕は思います。



ファミリーでは結構ある事なのですが、ライブで披露する前にレコーディングをしました。

ですので、全くライブで弾くことを想定せずにフレーズを重ねてます。

BメロのDr. 荒井の金物パーカッションが粋です。ライブでは出来んですね。

Key. 堀内が録音期間に帰省をしており、今回の音源のキーボードは渡邉が必死こいて弾いたものです。MIDI鍵でやればよかったものを・・・。

ですのでクオンタイズもしてません。

天野くんのボーカルは留学から帰国後即録音を致しました。メロの打ち合わせが録音の時の一回だけだったにも関わらず完璧でした。さすが。



長くなりましたが、このような感じです。

実は、晩年を過ごしたオーヴェル・シュル・オワーズに行くくらいゴッホが好きなんです。

パリに行くなら、ルーブルではなくオルセーを勧めます。

福岡にオルセー展こんかなー


ってことで今回のEP

のライナーノーツ終わりです!

各種配信サービスからもリリースされているのでぜひCHECKしてみてください。






ファン・ゴッホ

パレット越しに 朝焼けを見てる

その刹那 刹那…

顔色伺う ベランダの隅


見え透いた嘘に 僕は惑っている

悲しさは無いが

あなたが咲くのを ひたすら待つ

茜色の地平線 歪むその線を手にする時は今


昨日までの夢が 今日 僕に降り注ぐ

一日の始まりはそこに

微かなる色彩を持っていく


眠れない夜は 宇宙(そら)を広げてる

怯えないように

恨まれないように 泳いでいく

夜明けの街を 咲き誇る朝顔よ

僕を映す色は何色

瞼の裏に問いかけてみる


太陽を忘れてしまったなら

目を閉じればそこに 君はいる

夢から覚め 今を切り裂いて

新しい道を描いていく

茜色の地平線 意識揺らぐ世界線

空を隔つ地平線 歪むその線を手にする時は今

夜明けの街を 咲き誇る朝顔よ

僕を映す色はこの色!

確かなる色彩を帯びていく


僕は堕ちていく



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